2008-02-04

facebook を使ってみた

facebook (フェイスブック)なるものを使ってみた。アメリカで流行している SNS 、要するに アメリカ版 mixi である。元々は大学生用に作られていて、現役の大学生しか会員になれなかったのが、だんだん制限をゆるくなっていって、去年からは誰でも会員になれるようになった。その結果最近は、オレのようなオジサン会員が増えているらしい。ヲールストリートジャーナル紙には、上司から facebook でお友達になってと言われて困った若手社員の話が記事になって出ていたぐらいで、ちょっとした社会問題になっている。

オレはその記事を読んだ何ヶ月前に会員登録したのだが、その時は「友達」は0。人に頼んで会員になってもらうのも面倒なので、ほったらかしていた。だから実際に使ったとは言えない。ただ、知り合いい頼んで実験してみたところ、日本語はちゃんと通ることがわかっていた。ユニコードの力。すばらしい。

最近になって、実は知り合いにすでに facebook 会員の人が何人かいることがわかり、facebook 上でのお友達になってもらって、最近それなりにちゃんと使い始めた。

オレの印象では、mixi と比べての違いを一言で言うと、個人と個人のつながりを大事にしている、ということだ。mixi は基本的には、個人の日記とコミュニティ(グループ)で成り立っていると思う。これに対して、facebook は、その人が今どこで何をやっていて、最近は何が好きで、みたいなことを刻々とお友達に知らせるような仕組みになっている。基本は個人対個人。お友達の輪である。

facebook は、他社との連携が強く、例えばオレがブロックバスター・オンラインという、 DVDレンタル屋でDVDを借りると、何を借りたかがのお友達に知らされるような初期設定になっていた。オレは、このようなプライバシー軽視に怒って、すぐに設定を解除した。が、お友達との間には秘密はなしよ、というのが基本スタンスのようだ。この仕組みは、ビーコンと呼ばれ、オレ以外にも怒った人がたくさんいて、最終的には初期設定を変更することとなった。

もうひとつの特徴は、「アプリケーション」と称するものがいくつもあることだ。これは、facebook 上の情報を使ったクイズとか、アンケートとか、落書き帳とか、その手のものだ。中には、贈り物、というアプリケーションがあって、何を贈るのかと思ったら、本当の品物を贈るわけではなくて、握手とか、念力とか、キスとか、のアイコンもどきにメッセージをつけてお友達に贈ろうという、まあ、たわいのない遊びである。(若者通しなら結構楽しいかもしれないが、オジサンには、ちょっとピンとこない。)で、このアプリケーション、facebook 社が作成したものは実は少なくて、だいたいが外部の会社が作っている。会社のほとんどは、聞いたこと無いような会社である。

これらのアプリケーションは、普通の Windows とか MacOS のアプリケーションとは違って、別に自分のコンピューターにインストールするものではないので、ウィルス感染の心配はない。「アプリケーションを追加」をしても、別に何もインストールされない。その代わり、 facebook 社のコンピューター上で動いているアプリケーションのプログラムに対して、自分のデータにアクセスする許可を与えるだけである。このアプリケーション追加の過程で、「このアプリケーションは facebook 社によって作成さたものではありません。」(だから facebook 社は内容を保障しないもんねー、という意味?)という断り書きが出て来て、「このアプリケーションに自分が誰かを知らせて、自分の情報にアクセスすることを許可する」ということに同意することが求められるのあが、この辺が、ちょっと、気になるところだ。どこかわからん会社のアプリケーションに、自分の名前(facebook は mixi のように偽名を使うことは含められていない)とメールアドレスと顔(mixi と違ってほとんどの人が本当の顔の画像を掲載している)から、人によっては住所、電話番号、政治的指向、性的指向までをも含めた情報にアクセスすることを認めるわけだ。悪用の可能性も十分あると考えるべきだと思う。

アプリケーションには、友達通しで同じ質問に答えて、お互いにどれだけ似ているかを調べよう!という種類のが結構ある。これ、オレのお友達の一人がやったので、オレもさっそくインストールしてやってみたが、ちっとも答えが出て来ない。どうやら自分のお友達最低5人が答えないと結果を教えてくれない仕組みになっているらしい。そして、こうやって、このアプリケーションを作った会社は、facebook ユーザーの情報を収集しているらしいのだ。他の似たような種類のアプリケーションで、他人は自分をどう評価しているか、という誰でも気になることを教えてくれるのがあるのだが、これだと何と最低10人が参加しないと、自分の評価は教えてくれない。まあ確かに、数人しか参加していない状態で自分の評価を教えてもらっても、それはあまりに標本数が少なくて偏っているから、10人というのもわからんではないが、逆にこの言い訳を悪用して制作会社は情報収集をしているのかもしれない。

と、オレ的にはかなりプライバシー面で疑問な、アプリケーションだが、これ、結構ハマるようだ。特に女性はハマりやすいようで、オレと同じ頃に始めた女性のお友達達は、毎日のように新しいアプリケーションを追加しているようだ。(ちなみに、お友達の誰がどのアプリケーションを追加したという情報も、お友達間で共有されるような初期設定になっている。)きっと、若者、特に女性をひきつける何かがあるのだろう。

facebook。そうねぇ。オレが若者で、ヒマでヒマでたまんなくて、プライバシーどうのこうのとうるさいこと言わない人なら、結構やみつきになるかもね。

マイクロソフトは2億4000万ドル(約260億円?)でこの会社の 1.6% を買ったそうだ。ということは、会社全体の評価額は、150億ドル(1.6兆円)。いくらやみつきになるサイトだとしても、この会社、従業員が500人しかいない会社である。グーグルのように広告収入がたくさんあるようにも見えない。ちなみに、創業者は、23歳(24歳かも)だ。まさにネットバブルの再燃(← クリックするとYouTube のパロディーソングに飛ぶ)としか思えない。

この創業者の若者は、しかし、なかなか謙虚な人で、未だに寝室がひとつしかないアパートに住んでいるそうだ。豪邸を10個ぐらい持てそうなもんだが。

Comments:
今日のニューヨークタイムズ・オンライン版のこの記事 (要会員登録) は、facebook は、退会後も会員のメールアドレスとかやりとりしたメッセージの内容とかの個人情報を保持していると問題視している。現状では退会した会員に対して facebook のメッセージ機能を使ってメールを送ることも可能だそうだ。個人情報を削除するには、退会する前にプロフィールからすべてを削除することを自分でやらなければならないそうで、それを怠ると、訴訟するぞとか脅さないとやってくれないそうだ。
 
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