2006-12-26
はじめてのハワイ(その1)

まず、わかったこと。ハワイが「常夏の島」というのは大嘘である。昼は、太陽の光がさんさんとふりそそぎ、ちょっと歩くだけで汗がだらだら、喉が渇いて冷たい飲み物は常にかかせない、という状況を想像していたのだが、そんなことはまるでない。太陽が一番上に来る2時間ほどはその状況にちょっと近くなることはあったが、海からふく気持ちよい温度の風のおかげで、暑くてしかたがない、ということにはならなかった。それどころか、夜は結構冷えて、最初の晩など、毛布一枚だけしかないホテルのベッドで震えて寝た。地元の人に聞くと、夏はこれよりは少し温度が上がるものの、基本的には同じような気候だそうだ。
もっともこれはオレには、嬉しい誤算。胃腸の弱いオレは、もし想像通りの暑くて喉が渇いてしょうもない気候だと、つい冷たいものを飲み過ぎて腹をこわすことになりがちだからだ。おかげで今回の旅では、帰る日に事故にあった以外は、きわめて健康にすごすことができた。さらにうれしいのは、水温はそこそこ暖かいので、「冬」の今でも泳ぎは楽しめるということだ。夏でも還流のために海岸で水遊びのできない北カリフォルニアに住んでいる者にとっては、泳げる海というのはとても貴重なのだ。
ハワイ島には、定期航空路のある空港がヒロとコナと二つあるが、今回は東側にあるコナ国際空港を使った。ここには日本からの直行便も着くらしい。着いてびっくりしたが、これはまるでタイのサムイ島の飛行場のよう。木造平屋の建物がとヤシの木があるだけだ。飛行機からは、昔ながらのタラップを降り、地面を歩いて木造の建物に向かう。ゲートは5つだけで、荷物の回転台はひとつだけ。小さいので空港内で迷うことは不可能だ。今回の旅行では、到着も出発も夜10時台だったが、その時には空港内のレストランも土産物屋もしまっていた。実はこれが致命傷となり、帰りの日にはオレ達は結局夕食を食いそびれることとなった。まったく、これで国際空港?オレはあきれるやら、腹が立つやら、南国のやる気のなさに感心するやら、とても複雑な気持ちだ。
ハワイ島は、ハワイの中で一番大きな島ということだが、南北に90マイル、東西に80マイルもない。法定速度毎時65マイルのハイウェイがあたり前のカリフォルニアの感覚では、主要観光地まではどこからでも1時間半あればで行けると思っていたが、これも誤算だった。地図上でハイウエイと思っていた道路の法定速度は毎時55マイル。そして、ごく一部を除いて片側1車線しかなく、交差点や信号がある。車線の幅は広く、よく舗装されていて高規格道路ではあるが、決してハイウェイではない。1台でも遅い車がいると、皆遅くなる。市街地では法定速度も毎時35マイルぐらいまで下がるし、信号待ちもある。着いて二日目に火山国立公園に行った時、1時間半で行けると思っていたら3時間近くかかり、このことを思い知った。
ハワイ島は海に面しているから新鮮な魚が安く食べられる!と期待していたがこれも違った。新鮮な魚は食べられるがちっとも安くない。寿司屋の値段がカリフォルニアの5割高と言った所。とてもじゃないが怖くて日本人経営の寿司屋には入れず、中国人経営とおぼしき寿司屋に入ったが、そこですら3人でチップ込み90ドルほどした。(味は期待したよりよくて、これは、うれしい誤算。)魚介類ではなく、パスタとかにしても本土より高い。ガソリンも高い。不動産屋の広告を見ると、日本で言う所の 2LDK のマンションが5000万円ぐらいする。さすがにサンフランシスコよりは安いが、あまり変わらない。(ヒロ地区はずっと安いらしい。)カリフォルニアに比べて安かったのは、消費税率だけだ。(約半分)
行く前、ハワイにはオカズ屋というものがいたるところにあって、ハワイ風和食のおかずが量り売りで買えるときいていたのだが、そんなものは一軒も無かった。どうやらこれは、オアフ島だけのことらしい。レストランで目につくのは、普通のアメリカ料理とハワイ料理(肉や魚のカツレツとご飯とマカロニサラダ)、そしてアジア系では、タイやら、ベトナムやら、中華だけだ。和食なんぞ、ちょっとしかない。あってもバカ高い。

スーパーには醤油、大根、その他日本の食材がたくさんある。ヒロ地区では、日系人らしき人が町を歩いて、日本人の名前のスーパーもいたるところにある。レストランで白人が醤油のことをちゃんと「ショーユ」と呼んでいるのにはびっくりした。本土では、「ソイソース」と呼ぶのが普通なのに、ここでは「ショーユ」だ。それほどに日本の食材が生活に浸透しているにもかかわらず、和食のレストランが少ないのはどういうことだろう?不思議である。
さて、文句はこれくらいにして、スーパーで見つけた変な名前の商品を3つ紹介しよう。



(続く(たぶん))