2015-09-11
米国ソフトゥエア産業の日本化を嘆く
実のことを言うと、オレが日本を飛び出してシリコンバレーに来たきっかけは、大学を出て最初に就職した企業がかなり日本的な会社で、工員服着せられて、朝ラジオ体操をさせられて、大部屋で作業をさせられたことにある。何だこんな個性のないところ、皆の話し声が聞こえるようなやかましい環境で、いいソフトができるわけない、と思った。
こちらに来て、最初に働いた会社は日本に関係ある小さな会社(すぐに潰れた)では、確かキュービクル(一人ずつに可動壁で区切られた空間)で働いたと思う。次に働いた小さな会社とその次の大企業では、窓のある二人部屋が与えられた。うまくマネージャーに昇格するか、マネージャーと同待遇の偉いエンジニアになれば、一人部屋が与えられる。なるほど、こういうところなら仕事の集中できて、独創的な仕事ができるんだろうなぁと感心したもんだ。
2001年頃から話が怪しくなってくる。スクラムという、ソフトウェア開発プロセスが流行り出したのだが、そのプロセスの解説本の中で、ホンダの開発プロセス(立ったままする「ワイワイ」会議)やら、トヨタのなんとかやら、日本の工業界の開発技法が論じられる。うーん、何で〜?と思った。
そして2010年頃になると、大部屋で、大きな机を皆んなで挟んでラップトップ(正しい日本語では、ノートパソコン?)を持ち込んで仕事をするのが、コミュニケーションが取れてよい、ということで流行になって来る。10年近く働いた会社では、キュービクルの仕切りを低くして、立ち上がると他の人が見える高さになった。そこを辞めて入った会社では、大部屋に大机。自分の机で電話会議をしたり、長ったらしい議論を始めると、やかましくて仕事にならない。仕方ないのでヘッドフォンをして仕事をすることになるわけだが、そうすると、ヘッドフォンをしているので、皆が遠慮して、必要なことでも話しかけてこなくなる。コミュニケーションの活性化と逆のことが起きてしまったわけだ。いったいどこの誰が大机がいいといい始めたのだろう?だいたいそんなことでいいソフトウェアができるのだったら、日本は昔からソフトウェア大国だったはずだ。
最近入った会社では、大部屋、大机だけではなく、kanban だの kaizen だのという言葉も飛び交っている。日本語と日本社会を知っているオレにとっては、まるで工場で働いている気分だ。オレが避けてきた文化が、向こうの方からやってきたわけだ。そのうち、朝礼やラジオ体操まではやりになければいいのだが。
ちなみに、日本とは関係ないが、最新の流行は、立ち机。立ってコンピューターの操作をするのが、健康にいいということになって、いろんな会社で採用されている。今とところは、(高いので)希望者だけが使っている状況だが、そのうち、全員が立って働くことを強制される時代が来るのではないかと危惧している。
こちらに来て、最初に働いた会社は日本に関係ある小さな会社(すぐに潰れた)では、確かキュービクル(一人ずつに可動壁で区切られた空間)で働いたと思う。次に働いた小さな会社とその次の大企業では、窓のある二人部屋が与えられた。うまくマネージャーに昇格するか、マネージャーと同待遇の偉いエンジニアになれば、一人部屋が与えられる。なるほど、こういうところなら仕事の集中できて、独創的な仕事ができるんだろうなぁと感心したもんだ。
2001年頃から話が怪しくなってくる。スクラムという、ソフトウェア開発プロセスが流行り出したのだが、そのプロセスの解説本の中で、ホンダの開発プロセス(立ったままする「ワイワイ」会議)やら、トヨタのなんとかやら、日本の工業界の開発技法が論じられる。うーん、何で〜?と思った。
そして2010年頃になると、大部屋で、大きな机を皆んなで挟んでラップトップ(正しい日本語では、ノートパソコン?)を持ち込んで仕事をするのが、コミュニケーションが取れてよい、ということで流行になって来る。10年近く働いた会社では、キュービクルの仕切りを低くして、立ち上がると他の人が見える高さになった。そこを辞めて入った会社では、大部屋に大机。自分の机で電話会議をしたり、長ったらしい議論を始めると、やかましくて仕事にならない。仕方ないのでヘッドフォンをして仕事をすることになるわけだが、そうすると、ヘッドフォンをしているので、皆が遠慮して、必要なことでも話しかけてこなくなる。コミュニケーションの活性化と逆のことが起きてしまったわけだ。いったいどこの誰が大机がいいといい始めたのだろう?だいたいそんなことでいいソフトウェアができるのだったら、日本は昔からソフトウェア大国だったはずだ。
最近入った会社では、大部屋、大机だけではなく、kanban だの kaizen だのという言葉も飛び交っている。日本語と日本社会を知っているオレにとっては、まるで工場で働いている気分だ。オレが避けてきた文化が、向こうの方からやってきたわけだ。そのうち、朝礼やラジオ体操まではやりになければいいのだが。
ちなみに、日本とは関係ないが、最新の流行は、立ち机。立ってコンピューターの操作をするのが、健康にいいということになって、いろんな会社で採用されている。今とところは、(高いので)希望者だけが使っている状況だが、そのうち、全員が立って働くことを強制される時代が来るのではないかと危惧している。
2013-04-28
自転車安全教室に行った
人の勧めで、自転車の安全な乗り方を教える無料のコースを受けた。ここで言われたことを日本で実施したらきっと警官に止められること必至な内容だったので紹介しておこう。
基本的な考え方は、事故に合わないためには、自動車の運転手に気付かれるようにし、どこへ行きたいという意思をはっきり伝えるようにしろ、ということだ。
まず、自動車の通行の妨げにならないように、レーンのできるだけ右の端を走る(注:こちらは右側通行)、というのは間違い。レーンの右端から1メートルぐらい離れて走れと教わった。極端に右端だと運転者の視界によく入らないことがあるからだ。もうひとつ理由としては、アホな運転手(または乗客)が外を見ないでいきなりドアを開けた時に、ドアにぶち当たる事故を避けるためでもある。なお、カリフォルニア州法では、自転車は、農業用トラクターと同じ分類で、車道1レーン一杯使う権利があることになっている。
左折(日本の右折に相当)の時は、車と同様一番左のレーンに移動して、交差点中央付近で待ち、直進車(自転車)が途切れたところで、左折するように教わった。この前日本から来た友人と自転車に乗っている時、このように車道で左折したら、驚かれてしまった。そう言えば日本に住んでいた時はこういう曲がり方はしなかったかもしれない。歩道を押して歩いたような気がする。
レーン変更では、変更前に必ず肩越しに後ろを見るように習う。仮に後ろを見るミラーがあってもそうすることが推奨される。これは、ミラーに死角があることもそうだが、運転者の目を合わせることによって、相手に気付かせるというのも理由だ。もっとも、オレの場合、後ろを見ている間に自転車が曲がりがちなので、目を合わせる余裕はなかった。もうちょっと練習が必要なようだ。
こちらの運転手はおおむね自転車には寛大なのか、自転車に1レーン使う権利があるということが周知されているのか、自分の前を自転車が走っているからといってクラクションを鳴らしたりする人は少ない。あきらめて自転車の後ろを同じ速さで走って、タイミングのいいところで抜くか、違うレーンに移動する。そうは言っても、いらいらしてクラクションを鳴らす人が皆無なわけではない。そんな時は、怒ったりあせったりするのではなく、「気付いてくれてありがとう」、と心の中で感謝しなさい、と習った。
ところで、歩道を自転車で走行することは、それを禁止する標識がない限り、カリフォルニアでは違法ではない。しかし、勿論スピードは出せないし、出口から突然子供が飛び出したりとかするので、安全教室では推奨してなかった。日本に住む友人が、自転車で車道を走っていると警官に歩道を走るよう「指導」されると言っていたが、日本とはえらい違いだ。日本では、自動車の円滑な通行の方が優先されているようだ。もっとも最近読んだニュースでは、歩行者の安全のため、自転車は車道を走行するよう指導内容が逆になったということだが、実態はどうなのだろう?日本で、交差点中央から右折をした場合、横断歩道を使うように指導されるのだろうか?
基本的な考え方は、事故に合わないためには、自動車の運転手に気付かれるようにし、どこへ行きたいという意思をはっきり伝えるようにしろ、ということだ。
まず、自動車の通行の妨げにならないように、レーンのできるだけ右の端を走る(注:こちらは右側通行)、というのは間違い。レーンの右端から1メートルぐらい離れて走れと教わった。極端に右端だと運転者の視界によく入らないことがあるからだ。もうひとつ理由としては、アホな運転手(または乗客)が外を見ないでいきなりドアを開けた時に、ドアにぶち当たる事故を避けるためでもある。なお、カリフォルニア州法では、自転車は、農業用トラクターと同じ分類で、車道1レーン一杯使う権利があることになっている。
左折(日本の右折に相当)の時は、車と同様一番左のレーンに移動して、交差点中央付近で待ち、直進車(自転車)が途切れたところで、左折するように教わった。この前日本から来た友人と自転車に乗っている時、このように車道で左折したら、驚かれてしまった。そう言えば日本に住んでいた時はこういう曲がり方はしなかったかもしれない。歩道を押して歩いたような気がする。
レーン変更では、変更前に必ず肩越しに後ろを見るように習う。仮に後ろを見るミラーがあってもそうすることが推奨される。これは、ミラーに死角があることもそうだが、運転者の目を合わせることによって、相手に気付かせるというのも理由だ。もっとも、オレの場合、後ろを見ている間に自転車が曲がりがちなので、目を合わせる余裕はなかった。もうちょっと練習が必要なようだ。
こちらの運転手はおおむね自転車には寛大なのか、自転車に1レーン使う権利があるということが周知されているのか、自分の前を自転車が走っているからといってクラクションを鳴らしたりする人は少ない。あきらめて自転車の後ろを同じ速さで走って、タイミングのいいところで抜くか、違うレーンに移動する。そうは言っても、いらいらしてクラクションを鳴らす人が皆無なわけではない。そんな時は、怒ったりあせったりするのではなく、「気付いてくれてありがとう」、と心の中で感謝しなさい、と習った。
ところで、歩道を自転車で走行することは、それを禁止する標識がない限り、カリフォルニアでは違法ではない。しかし、勿論スピードは出せないし、出口から突然子供が飛び出したりとかするので、安全教室では推奨してなかった。日本に住む友人が、自転車で車道を走っていると警官に歩道を走るよう「指導」されると言っていたが、日本とはえらい違いだ。日本では、自動車の円滑な通行の方が優先されているようだ。もっとも最近読んだニュースでは、歩行者の安全のため、自転車は車道を走行するよう指導内容が逆になったということだが、実態はどうなのだろう?日本で、交差点中央から右折をした場合、横断歩道を使うように指導されるのだろうか?
2012-11-05
アメリカ(カリフォルニアだけ?)の有権者は大変だ!
いよいよ今週火曜日(日本時間だと水曜日)にせまった選挙。日本ではオバマ再選なるか、ということに注目が集められているが、大統領選挙だけをやるわけではない。他のいろいろな役職の選挙や住民提案に対する投票も行う、総選挙だ。
それでいったいどうなっているのかと、知人の所に郵送されて来た選挙用資料をみせてもらった。まず、この2冊の分厚い小冊子。
なぜ2冊かと言うと、一冊は州政府から来たもので、州レベルの住民提案の説明と法律全文が書いてあり、全部で143ページ。もう一冊は、郡政府(市町村を包含する自治体)から来たもので、投票方法の説明、宛先の選挙区内の大統領を除く全候補者一覧、郡や市町村レベルの住民提案の説明が書いてある。通し番号がふってないので正確にはわからないが、州政府からのものよりやや厚そうだ。(厚みは選挙区によって異なる。)
日本では総選挙といっても、衆議院議員と最高裁裁判官の信任投票だけだったと記憶しているが、こちらでは、大統領、連邦議会議員から、市町村議員は勿論、聞いたこととないような委員会の委員とか、公共交通機関の役員とかを含む役職すべての投票を一度に行うので、その数がすごい。数えてみたら、11の役職の投票を行うことになっている。オレの住んでいる市の場合、例えば、家賃安定化委員会というのがあって、そこの委員の選挙もある。11の役職の選挙だから11人選べばいいかというと、そういうわけでもない。市長選挙は、気に入った順番に3人選ぶという方法が取られるため、13人を選ばなければいけないと来ている。
これに住民提案への投票が加わる。カリフォルニアでは、州議会を経なくても、住民提案への投票の過半数で法律を制定することができる。(今回は、州知事が発案者の住民提案まである。カリフォルニアでは予算の成立に州議会の3分の2の同意が必要で、与党民主党は過半数はあるが3分の2には達しないため、増税を含むような予算は絶対通らない。そこで、州知事が住民提案をした、というわけだ。)この住民提案を選挙にかけることのできるハードルはどうもゆるそうで、提案数は、23。(市町村レベルの提案もあるので、この数は選挙区により異なる。)州レベルの提案は、それなりに大きな組織が後押ししているため、テレビのコマーシャルでだいたいどんなものかは想像がつく(でも都合のいいことしか言わないので、真相は不明)が、郡市町村レベルのは、さっぱりわからない。
そして、これが、郵便投票用投票用紙。(投票所での投票用紙も恐らく似たものだと想像される。)
何と4枚ある。裏面のあるのもあるので、書き込む場所の数は半端ではない。この用紙のうちの、大統領選の部分を拡大したのがこれ:
オバマは下から2番目、対立候補のロムニーは、上から2番目で、ほかに泡沫候補が4組いることがわかる。気にいった大統領・副大統領の組をさしている矢印のかけている部分に線を書きこんで投票するらしい。
候補者ひとりずつの立候補声明や住民投票の説明にに目を通すのは、よっぽどヒマな年寄りしかできない。では、どうするか?新聞各誌や、支持政党や、各種団体が、こう投票しろという推薦を出すので、自分が最も信用する団体の推薦に従って投票するらしい。(ちなみに、アメリカでは、メディアは不偏不党を標榜していない。誰もそんなこと期待していない。)
それにしても、こんなややこしいことを1年に2回もやるアメリカの有権者は、エライ。だいたい、アメリカ人は、政治が大好きだ。大統領の政策論争をゴールデンタイムに行い、それを4大ネットワークが生放送。ビアホールで皆が見入っていた。まるでスポーツ中継を見るみたいに。政治は好きみたいだが、投票率はかなり低い。政治好きの人が、ある層に限定されているからのようにも思えるし、どうせオレが投票してもしなくてもかわんんないという思いもあるかもしれないし、選挙日が平日というのが悪いのかもしれないが、選挙がこんなにややこしいくて理解できない。理解できても、全項目書き込むだけでも大変でやりたくない、というのもその一因のように思える。
それでいったいどうなっているのかと、知人の所に郵送されて来た選挙用資料をみせてもらった。まず、この2冊の分厚い小冊子。
なぜ2冊かと言うと、一冊は州政府から来たもので、州レベルの住民提案の説明と法律全文が書いてあり、全部で143ページ。もう一冊は、郡政府(市町村を包含する自治体)から来たもので、投票方法の説明、宛先の選挙区内の大統領を除く全候補者一覧、郡や市町村レベルの住民提案の説明が書いてある。通し番号がふってないので正確にはわからないが、州政府からのものよりやや厚そうだ。(厚みは選挙区によって異なる。)
日本では総選挙といっても、衆議院議員と最高裁裁判官の信任投票だけだったと記憶しているが、こちらでは、大統領、連邦議会議員から、市町村議員は勿論、聞いたこととないような委員会の委員とか、公共交通機関の役員とかを含む役職すべての投票を一度に行うので、その数がすごい。数えてみたら、11の役職の投票を行うことになっている。オレの住んでいる市の場合、例えば、家賃安定化委員会というのがあって、そこの委員の選挙もある。11の役職の選挙だから11人選べばいいかというと、そういうわけでもない。市長選挙は、気に入った順番に3人選ぶという方法が取られるため、13人を選ばなければいけないと来ている。
これに住民提案への投票が加わる。カリフォルニアでは、州議会を経なくても、住民提案への投票の過半数で法律を制定することができる。(今回は、州知事が発案者の住民提案まである。カリフォルニアでは予算の成立に州議会の3分の2の同意が必要で、与党民主党は過半数はあるが3分の2には達しないため、増税を含むような予算は絶対通らない。そこで、州知事が住民提案をした、というわけだ。)この住民提案を選挙にかけることのできるハードルはどうもゆるそうで、提案数は、23。(市町村レベルの提案もあるので、この数は選挙区により異なる。)州レベルの提案は、それなりに大きな組織が後押ししているため、テレビのコマーシャルでだいたいどんなものかは想像がつく(でも都合のいいことしか言わないので、真相は不明)が、郡市町村レベルのは、さっぱりわからない。
そして、これが、郵便投票用投票用紙。(投票所での投票用紙も恐らく似たものだと想像される。)
何と4枚ある。裏面のあるのもあるので、書き込む場所の数は半端ではない。この用紙のうちの、大統領選の部分を拡大したのがこれ:
オバマは下から2番目、対立候補のロムニーは、上から2番目で、ほかに泡沫候補が4組いることがわかる。気にいった大統領・副大統領の組をさしている矢印のかけている部分に線を書きこんで投票するらしい。
候補者ひとりずつの立候補声明や住民投票の説明にに目を通すのは、よっぽどヒマな年寄りしかできない。では、どうするか?新聞各誌や、支持政党や、各種団体が、こう投票しろという推薦を出すので、自分が最も信用する団体の推薦に従って投票するらしい。(ちなみに、アメリカでは、メディアは不偏不党を標榜していない。誰もそんなこと期待していない。)
それにしても、こんなややこしいことを1年に2回もやるアメリカの有権者は、エライ。だいたい、アメリカ人は、政治が大好きだ。大統領の政策論争をゴールデンタイムに行い、それを4大ネットワークが生放送。ビアホールで皆が見入っていた。まるでスポーツ中継を見るみたいに。政治は好きみたいだが、投票率はかなり低い。政治好きの人が、ある層に限定されているからのようにも思えるし、どうせオレが投票してもしなくてもかわんんないという思いもあるかもしれないし、選挙日が平日というのが悪いのかもしれないが、選挙がこんなにややこしいくて理解できない。理解できても、全項目書き込むだけでも大変でやりたくない、というのもその一因のように思える。
2012-05-06
ノルウェイの森は、ひどい誤訳だったことに今ごろ気付く
実は、隠れ村上春樹ファンである。だいたい全部読んでいる。「ノルウェイの森」も出版されて割とすぐの頃読んだ。そして、題名がビートルズの楽曲に由来することも知っていた。
それから10年以上経った今日、ちょっとした気の迷いでビートルズを歌う会に行って、歌詞集が配られ、参加者皆で歌った。中高年の男女10人ちょっとの集まりで、久しぶりにビートルズの曲にふれ、懐かしかった。
で、この歌詞集の中に Norwegian Wood もあったのだが、歌詞を読むと、どうみても、森の自然の中でどうのこうのという内容ではない。男が女の子の家に泊まってどうのこうのいう内容だ。しかも、女の子と長話をした(させられた)あげく、ワタシ朝早いからもう寝るわ、と先に寝てしまい、主人公(?)は、風呂桶の中で寝るはめになるという、情けない内容。で、Norwegian Wood だが、まず変なのは、「森」という意味なら複数形 Woods のはずなのに、単数だということだ。そして、この言葉は、「She showed me her room, isn't it good, Norwegian wood?」と使われている。「その子は、部屋を見せてくれた。ちょっといいんじゃない?Norwegian wood かな?」という意味?よくわからん。帰り際にアメリカ人に聞いてもわからなかった。そこで、Wikipedia で調べると、Norwegian Wood (This Bird Has Flown) という項目にポール・マッカートニーの解説が引用されていて、もともとは、安物の木材、という題名にするつもりだったが、それではあまりいい感じがしないので、安物の木材の代名詞としてノルウェー産木材という題名にした、とある。歌詞的には、庶民の子のアパートに泊まった、ということを暗示しているわけだ。なるほどこれなら wood が単数系で納得だし、アメリカ人に聞いてもわからないわけだ。
つまり、ビートルズの楽曲の題名の訳は、「ノルウェー産安物木材」単なる誤訳だったということだ。さらにウィキーペディア日本語版を調べると、「ノルゥエーの森」の項に、当時の担当者が誤訳を認める証言が書かれている。
なーんだ、誤訳かよー。小説読む時、何となくノルウェーの誰もいない雪の積もった森を想像しながら読んで損した。そういや、同名の邦画が去年だか一昨年だかに公開されたが、そのポスターも、何となくノルウェーにある森っぽくなかったっけ?日本人皆騙されている?(映画発表当時、すでに日本国内で誤訳のことが話題になったんだったらごめんなさい。何しろ浦島なのもので・・・。)
追記:この記事を書いてから、頭の中で、Norwegian Wood が鳴り響いて止まらない。歌詞がひどい内容とわかり、この曲だけ iTunes で買わなかったのにぃ〜。メロディーが良すぎる。さすがビートルズ。
それから10年以上経った今日、ちょっとした気の迷いでビートルズを歌う会に行って、歌詞集が配られ、参加者皆で歌った。中高年の男女10人ちょっとの集まりで、久しぶりにビートルズの曲にふれ、懐かしかった。
で、この歌詞集の中に Norwegian Wood もあったのだが、歌詞を読むと、どうみても、森の自然の中でどうのこうのという内容ではない。男が女の子の家に泊まってどうのこうのいう内容だ。しかも、女の子と長話をした(させられた)あげく、ワタシ朝早いからもう寝るわ、と先に寝てしまい、主人公(?)は、風呂桶の中で寝るはめになるという、情けない内容。で、Norwegian Wood だが、まず変なのは、「森」という意味なら複数形 Woods のはずなのに、単数だということだ。そして、この言葉は、「She showed me her room, isn't it good, Norwegian wood?」と使われている。「その子は、部屋を見せてくれた。ちょっといいんじゃない?Norwegian wood かな?」という意味?よくわからん。帰り際にアメリカ人に聞いてもわからなかった。そこで、Wikipedia で調べると、Norwegian Wood (This Bird Has Flown) という項目にポール・マッカートニーの解説が引用されていて、もともとは、安物の木材、という題名にするつもりだったが、それではあまりいい感じがしないので、安物の木材の代名詞としてノルウェー産木材という題名にした、とある。歌詞的には、庶民の子のアパートに泊まった、ということを暗示しているわけだ。なるほどこれなら wood が単数系で納得だし、アメリカ人に聞いてもわからないわけだ。
つまり、ビートルズの楽曲の題名の訳は、「ノルウェー産安物木材」単なる誤訳だったということだ。さらにウィキーペディア日本語版を調べると、「ノルゥエーの森」の項に、当時の担当者が誤訳を認める証言が書かれている。
なーんだ、誤訳かよー。小説読む時、何となくノルウェーの誰もいない雪の積もった森を想像しながら読んで損した。そういや、同名の邦画が去年だか一昨年だかに公開されたが、そのポスターも、何となくノルウェーにある森っぽくなかったっけ?日本人皆騙されている?(映画発表当時、すでに日本国内で誤訳のことが話題になったんだったらごめんなさい。何しろ浦島なのもので・・・。)
追記:この記事を書いてから、頭の中で、Norwegian Wood が鳴り響いて止まらない。歌詞がひどい内容とわかり、この曲だけ iTunes で買わなかったのにぃ〜。メロディーが良すぎる。さすがビートルズ。
2012-01-01
情熱のマリアッチ!
サンフランシスコ湾岸地区では、何年か地上波での放送が中止されていた紅白が今年(去年)は見れるというので、録画してみてみた。放送時間を誤解していた上録画の設定にとまどったので、最初の1時間以上は見れなかった(レイディーガガも見れず)が、とりあえず半分以上は録画して、早送りしながら見た。
氷川ひろしは、「情熱のマリアッチ」なる曲を歌った。だいたい、この手の、「〜のサンバ」や「〜のタンゴ」系の曲 は、歌に冠している音楽ジャンルとは何の関係もなく、さらに誤解の固まりの場合が多いが、これもやはりそうだった。
そもそもマリアッチとは、メキシコはハリスコ州で発達した曲のジャンルなのだが、この曲はどう聞いても演歌そのもの。マリアッチ的な要素は、マラカスとかトランペットがちらっと入る程度。歌詞の中には、「カリブ海」がどうのこうのと出て来るが、ハリスコ州は、太平洋に面していて、カリブ海には関係ない。さらに、「南十字星」!沖縄でも見れるそうなので、多分メキシコで見えないこともないのだろうが、普通「南十字星」と言えば、南アメリカを連想させるキーワード。勘違いしてないか?また、紅白でバックで踊っていたダンサーの衣装は、メキシコの民族衣装というよりは、フラメンコ的なものに見えたが、これはオレの見間違い?
どうも、ラテンなキーワードがあると、中南米(ポルトガル語圏も含む)とスペインはごっちゃに入り交じって扱われる傾向があるのは、どうしてだろう?
こんなことでは、日本人と中国人の区別のつかないこちらの人々に文句をいう資格はないなと思いながら、2011年は終ったのであった。
氷川ひろしは、「情熱のマリアッチ」なる曲を歌った。だいたい、この手の、「〜のサンバ」や「〜のタンゴ」系の曲 は、歌に冠している音楽ジャンルとは何の関係もなく、さらに誤解の固まりの場合が多いが、これもやはりそうだった。
そもそもマリアッチとは、メキシコはハリスコ州で発達した曲のジャンルなのだが、この曲はどう聞いても演歌そのもの。マリアッチ的な要素は、マラカスとかトランペットがちらっと入る程度。歌詞の中には、「カリブ海」がどうのこうのと出て来るが、ハリスコ州は、太平洋に面していて、カリブ海には関係ない。さらに、「南十字星」!沖縄でも見れるそうなので、多分メキシコで見えないこともないのだろうが、普通「南十字星」と言えば、南アメリカを連想させるキーワード。勘違いしてないか?また、紅白でバックで踊っていたダンサーの衣装は、メキシコの民族衣装というよりは、フラメンコ的なものに見えたが、これはオレの見間違い?
どうも、ラテンなキーワードがあると、中南米(ポルトガル語圏も含む)とスペインはごっちゃに入り交じって扱われる傾向があるのは、どうしてだろう?
こんなことでは、日本人と中国人の区別のつかないこちらの人々に文句をいう資格はないなと思いながら、2011年は終ったのであった。
2011-09-10
さわやか朝のTVコマーシャル
日本もアメリカも出勤前の時間帯、テレビは、ニュースと天気予報を軸にした生放送と相場が決まっている。しかし、日米で大きく異なるな、と思うのが、その時間帯に流れるコマーシャル。
サンフランシスコ地区の某ローカル放送局の朝5時から9時までのニュースショーの間に流されるコマーシャル。自動車や保険や薬のコマーシャルもあるが、こんなのもある:
しかし、日本では、絶対あり得ないのが、これ。
しかし、このコマーシャルが朝の普通の人達が見ている時間帯に放送されるということは、アメリカでは、逮捕は日常茶飯事ということか?「いやあ、昨日は、ちょっと逮捕されちゃってね」 みたいな日常会話がされているのだろうか?通算20年住んでいるが、アメリカには、よくわからないところがまだたくさんある。
サンフランシスコ地区の某ローカル放送局の朝5時から9時までのニュースショーの間に流されるコマーシャル。自動車や保険や薬のコマーシャルもあるが、こんなのもある:
- 忙しい人のためのカーペット掃除代行
- 事故車・故障車の処分屋
- 給料日ローン(サラ金みたいなの)
- 薬物依存症の治療プログラム
しかし、日本では、絶対あり得ないのが、これ。
- 保釈サービス
しかし、このコマーシャルが朝の普通の人達が見ている時間帯に放送されるということは、アメリカでは、逮捕は日常茶飯事ということか?「いやあ、昨日は、ちょっと逮捕されちゃってね」 みたいな日常会話がされているのだろうか?通算20年住んでいるが、アメリカには、よくわからないところがまだたくさんある。
2011-07-07
金の蔵にがっかり
超円高の中日本を旅するドル給与所得者は、なかなかつらい。安いとこ、安いとこと、探していて目についたのが、270円均一居酒屋「金の蔵」。おお、救世主!これは行かねばと行ってみた。しかし、これには失望した。
まず、席が異様に狭い。でぶアメリカ人には無理だな。注文は、全自動化。タッチパネルで行うわけだが、考え抜かれたでデザインではない。途中何回か迷う。そして、メニューには、いわゆるご飯ものがない!お茶漬けもおにぎりも炒飯もない。あるのは、にぎり寿司だけ。恐らく、冷凍で仕入れているのだろう。
タオルはペーパータオル。それも、かなり薄い。まるで某ユナXXXド航空で出て来るおしぼりだ。(きつい香水がついてない分は、金の蔵を評価しておこう。)そして、サラダ。葉っぱが乾いてるぞー。これもまるで某ユナXXXド航空のサラダのようだ。飛行機に乗らなくても機内食が味わえる、が売りなのか?
頭付きエビフライを頼んでみた。だいたいこれは、プレミアムメニューで、380円だか何だか。おい、270円均一じゃないのか?そして出て来たものは、一見よさそげだが、噛むと、まったく歯ごたえなし。ふにゃーと解ける。えびクリーム?恐らく、冷凍の保管状況がよくなくて、途中で1回融けたのではないかと想像する。こんなもん出すなー。おまけに、油も高品質ではなくて、食べた後むかつき状態が数時間持続した。
うーん、これは、超期待はずれ。もう行かない。天狗の偉さがよーくわかった。
お詫びと訂正:当初店名を誤って「金の鶏」と掲載致しました。 同名の店は存在するようです。本記事は、「金の鶏」とは一切関係ございません。お詫びして訂正させていただきます。
まず、席が異様に狭い。でぶアメリカ人には無理だな。注文は、全自動化。タッチパネルで行うわけだが、考え抜かれたでデザインではない。途中何回か迷う。そして、メニューには、いわゆるご飯ものがない!お茶漬けもおにぎりも炒飯もない。あるのは、にぎり寿司だけ。恐らく、冷凍で仕入れているのだろう。
タオルはペーパータオル。それも、かなり薄い。まるで某ユナXXXド航空で出て来るおしぼりだ。(きつい香水がついてない分は、金の蔵を評価しておこう。)そして、サラダ。葉っぱが乾いてるぞー。これもまるで某ユナXXXド航空のサラダのようだ。飛行機に乗らなくても機内食が味わえる、が売りなのか?
頭付きエビフライを頼んでみた。だいたいこれは、プレミアムメニューで、380円だか何だか。おい、270円均一じゃないのか?そして出て来たものは、一見よさそげだが、噛むと、まったく歯ごたえなし。ふにゃーと解ける。えびクリーム?恐らく、冷凍の保管状況がよくなくて、途中で1回融けたのではないかと想像する。こんなもん出すなー。おまけに、油も高品質ではなくて、食べた後むかつき状態が数時間持続した。
うーん、これは、超期待はずれ。もう行かない。天狗の偉さがよーくわかった。
お詫びと訂正:当初店名を誤って「金の鶏」と掲載致しました。 同名の店は存在するようです。本記事は、「金の鶏」とは一切関係ございません。お詫びして訂正させていただきます。